「AIで物語を書く」のは幻想なのか?

最新AIストーリーテリングトピックス
こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です!
最近の生成AIによる新作小説や映画のニュースを見ていると――
「自分が書いている物語はもう時代遅れなのでは?」
「私よりもAIのほうがずっと素晴らしい作品を書くのでは?」
「こんな時代に個人がちびちびと書き進める意味はあるの?」
……なんていう不安を覚えることはありませんか?
でも、孫子は兵法でこう言っています。しかも、この言葉は2500年間も伝承されているのです。
「知彼知己、百戦不殆 (彼を知り己を知れば、百戦危うからず)」
最前線の事情を知ることは、私たちの創作活動の今後に大きな影響を与えます。
今、生成AIを使っての物語創作は、どのような時期に差し掛かっているのかを調べてみました。
1. ストーリーテリング革命
AI Invest が報じたところによれば、AIはアイデア立案、脚本執筆、映像制作、配信までのストーリーテリング全行程を再構築中です。業界リーダーが次々とAI支援ツールを導入し、“物語のつくり方そのもの”が変わりつつあります。
2. AIと世代別の感じ方の違い
Raindanceは、AIによる物語生成で「誰が得し、誰が取り残されるか」を世代別に分析。従来型の脚本家が代替されるのか、あるいはAIと共に強化されるのか──視聴者の期待がどう変化するかも含めて深掘りし、最終的にはAIが単なるツールとして機能し、人間の語り手の個性と共感の重要性が失われるべきではないと結論付けています。
つまり、どういうことになってるのか?
映像作りの世界が大きく変わっている
作り方が全く変わってきている
AIにお金をかける会社が増えて、映画、ゲーム、CMなどでAIが自動で作業をするようになりました。物語を作る方法そのものが変わってきています。
若い人と年上の人で考え方が違う
スマホやインターネットで育った若い人たちは、AIが作った物語に慣れています。でも、昔からの作り方を知っている人は、「AIが作った物語には心や人間らしさがない」と心配しています。
すべてが一気にできるようになった
AIを使った物語作りは「革命」と呼べるほど大きな変化です。アイデアを考えてから映像にするまでを、一つの場所で全部できるようになりました。
早く安く作れるけど、「誰が作るか」が大切
AIを使うと、とても効率よく、たくさんの作品を作ることができます。でも、その一方で「誰がその物語を語るか」がとても重要になってきました。
世代によって受け取り方が全然違う
若い人はAIが作った物語を普通に受け入れますが、ベテランの作り手や昔からの視聴者は「AIが物語の魂を取り除いている」と感じることがよくあります。
脚本家は消えるのではなく、AIと組む
専門家によると、昔からの脚本家は忘れられるのではなく、AIと一緒に働く「パワーアップした存在」になる可能性があります。つまり、クリエイティブな業界全体が「人間+AIのチーム制」に変わる時期なのです。
人間の価値がむしろ高くなるかも
観客が「速くて正確な作品」を求めるようになれば、「温かみのある物語」を作る人間の価値は、逆に貴重なものとしてブランドになるかもしれません。
何をAIに任せ、何を自分で守るかが重要
そのためには、作り手がAIに任せてもいい部分と、自分で守らなければいけない部分(感情の表現、伏線の作り方、キャラクターの生き生きした描写)をしっかり見極める必要があります。
今は「クリエイティブとは何か」を考え直す時期
結果的に、この時期は「クリエイティブとは何か」を考え直す時期になるでしょう。技術によって起こる大きな変化の中で、重要なのは「AIで効率を上げながら、人間の魂を守る方法」を作れるかどうかです。これが次の世代の物語作りの成功を決める分かれ道でしょう。
AIで物語を作ることの問題点とリスク
1. 同じパターンばかりで飽きてしまう
AIは決まったパターンを覚えるのが得意です。でも、面白い物語には驚きや予想外の展開が必要です。AIが作る物語は、よくある設定や展開ばかりになって、つまらなくて心に響かない作品になってしまう可能性があります。
2. みんなで決めると面白くなくなる
作家は「感動的なものを作りたい」と「売れるものを作りたい」の間で悩むことがよくあります。AIは売れる作品は作れるかもしれませんが、人を感動させる作品は作れません。映画会社などがAIのデータばかりを信じすぎると、芸術的でチャレンジングな作品が作られなくなってしまう可能性があります。
3. 世代によって好みが違いすぎる
高校生が喜ぶように作られた物語は、おじいちゃん・おばあちゃん世代には理解されないかもしれません。逆に、年配の人がAIを使って作った物語は、小学生には響かないかもしれません。
4. 誰のものか分からない問題
AIが作った物語は、誰のものなのでしょうか? AIが他の人の作品を「参考」にして作ったらどうなるのでしょうか? これらの問題がはっきりしないと、新しいことができなくなるだけでなく、人間の作家の価値が下がってしまう可能性があります。
あなたらしさを表現するのがAI創作の目的
今は、だれでも簡単にボタンを押すだけで、物語を作ることができる時代になりました。でも、簡単に作れるからといって、その物語が面白くて見る価値があるとは限りません。
これからの物語作りは、AIが何をできるかではなく、人間がAIを使って何をするかで決まります。
昭和世代の人が小説を映画やドラマにするときも、大学生くらいの人が短い映像を作るときも、高校生がTikTokの動画を作るときも、AIは手伝ってくれます。
でも、あなた自身の考え方や体験、育った環境、そして「これは正しいのかな?」と考える気持ちは、機械には真似できない、あなただけのものです。
そして、どんなにデジタルの世界が発達しても、どの世代の人も、いつもそういう「人間らしさ」を求めているのです。
どうぞ自信を持ってあなたの物語を紡いでください。
特集:古(いにしえ)の物語をAIで再創作する
リブートは、元の作品の世界観や設定を活かしつつ、全く新しい物語やシリーズとして再構築する技法です。
「過去の作品をベースに、物語を自由に創造する」ものと考えると分かりやすいでしょう。
古い物語をリブートする理由
かつて愛された物語が、現代に蘇る――。
リブート(再構築)は、ただの懐古ではありません。物語の力を再び輝かせるための有効な手段です。
作者にとっての魅力
リブートの最大の利点は、すでに骨組みとしてのプロットや世界観の土台があるため、新キャラやサイドストーリーを膨らませやすくなるということです。
さらに、現代の社会問題、技術、ジェンダー意識などの価値観を取り入れて再解釈することで、古典的な作品が今の時代の読者にも刺さるようになります。
読者にとっての魅力
懐かしさと新しさが共存するリブート作品は、過去の記憶を呼び覚ましながらも、未知のストーリーとして楽しめる特別なものです。
若すぎて分からなかったモヤモヤした疑問が、大人になった現在の知見や経験値で解消される快感も期待できます。
また、親が好きだった物語の本質を子どもにも伝えるという、世代を超えた共通体験にも可能です。
リブートは物語の生命力をもう一度世に問う、創作者にとっても読者にとっても価値のある挑戦だと言えます。
リブートする時の注意点
物語を再構築しようとする時、いちばん間違いやすいのが「キャラクター」の設定です。
継承すべきはオリジナルキャラクターの本質なのですが、これをうまく言語化できていないと、外面的なものだけ似せることになってしまいます。
本質とはそのキャラクターの持つ因果関係のことです。
因果関係とは、物語に特定の影響を与えるために編み上げられた「行動」とその「結果」の網目模様のデザインです。
ストーリーがグダグダになってしまうのは、登場人物がそれぞれの役割をきっちりこなしていないからなのです。
主人公の敵を登場させましょう!
特に判りやすいのは「対立軸」つまり「敵」です。
あなたの物語には強くて怖くて説得力のある「敵」が登場していますか? まずはこれをチェックしてみましょう。
※ちなみに強烈な「敵」を作りたい人には……
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