<有料>書きたいことが何もなくても面白い物語は作れる
物語のスケルトン
こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です。
物語創作の最初の難関は、いかに書き始めのハードルを下げるかということです。
そんなときは、物語のスケルトンを使うことで、誰でも簡単に面白い話が作れます。
スケルトンとは「骨組み」のことです。
深夜の理科室で、あなたをおどかしてやろうと佇んでいるあの骨格標本を思い出してください。その姿は、皮膚や筋肉や内蔵などの余分なものを全て取り去った、構造体そのものです。
物語のスケルトンは、あらすじをさらにミニマルにした「必要最低条件」なのです。
物語には、怪物退治とか、成長物語とか、サクセス・ストーリーなどのコンセプトごとに典型的なスケルトンがあります。
とりあえず「怪物退治」の物語を考えてみましょう。
「怪物退治の使命を受けた主人公が、試練を経て強くなり、怪物を倒す」
これが怪物退治のスケルトンです。
具体的に想像するために、適当な名前を当てはめて、もう少しイメージを肉付けしてみましょう。
「どんな武器でも傷つけられない硬い鱗で全身を覆われている怪物『ダークアーマー』退治の使命を押し付けられた、睡眠障害の吟遊詩人デューマが、試練を経て試行錯誤した結果、怪物を倒す」
ネタは同じでも、江戸の時代劇と中世ファンタジーとでは全く異なる印象を与えます。楽しく書きたいのであれば臆することなく自分の好きな世界観をぶつけましょう。ここまで出来れば、この話の最大の見せ場をいかにシンプルに言語化するか、というのが次の工程です。
この物語は「怪物退治」がコンセプトですから、もちろん怪物との対決がクライマックスとなります。さあ、吟遊詩人デューマはいったいどんな手を使って無敵の怪物を倒すのでしょうか?
そこで、このクライマックスを盛り上げる仕掛けを
『怪物を退治するのに必要なものは、Aだと思ったらBだった』
という「目的のどんでん返し・アオトリ」の型を使って考えてみます。
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どんでん返しでコアを作る
アオトリのどんでん返しには、いくつかの類例、つまりコツと呼べるようなパターンがあります。
例えばこの場合はそのうちのひとつ「多面性」というタイプを利用しました。ある小道具が持つ複数の特徴を利用する技です。具体的に言えば、植物のツルは弓にも使えると同時に楽器にもなる……みたいな感じです。
「怪物の硬い鱗を貫くという伝説の弓矢が切り札だと思ったら、全く効果がなかった。しかし、ある葛のツルを張って指ではじくと、出る音が怪物を眠らせることが分かった。主人公はそのツルを張った弓を奏でて怪物を昏睡させた」
全てをまとめてみます。
「どんな武器でも傷つけられない硬い鱗で全身を覆われている怪物『ダークアーマー』。
その退治の使命を押し付けられた、睡眠障害の吟遊詩人デューマ。切り札として頼りにしたのは「伝説の弓矢」だった。そして苦労の末に、ついにその弓矢と思しきものを手に入れた。
ところが試射の結果、ヘナヘナの矢しか射てないことが判明した。怪物の硬い鱗を貫くという噂は全くのデマだったのだ。ますます眠れなくなるデューマ。
しかし、ある葛のツルを張って弾くと、出る音が怪物を眠らせることが分かった。デューマはそのツルを張った弓を奏でて怪物を昏睡させたのであった!」
コンセプトがこのぐらいまで決まれば、物語のスケルトンはほぼ完成したと言ってもいいでしょう。
後はこれにラブロマンスや友情やライバルの悪巧み、お好きな結末などを追加していけば、話はひとりでにどんどん膨らみます。骨格標本に臓器や筋肉や皮膚や血管を肉付けしていくようなものです。
キャラクターや世界観をどれだけ増やそうと、クライマックスまでの流れ(骨組み)はすでに出来ているので、たとえ途中で道に迷ったとしても、いつでも安心して本筋に戻ることが可能です。
肉体の基礎構造である「物語のスケルトン」と、物語という生き物の魂である「どんでん返し」。
特に書きたいものがないあなたでも、こういうコアさえ見つければ面白い物語は作れるのです。
ちなみに、そんな「どんでん返し」の作り方を徹底的に学び、アイデアを楽しくシェアするサークル活動が「世界ドンデニスタ会議」です。
その目標は「どんでん返し入りの短編集を電子出版すること」です。まずは名刺代わりの一冊を作らなければ、あなたという作家が存在することさえ証明できませんから。
「世界ドンデニスタ会議」では、毎回、基本中の基本を繰り返し何度も実践して、「どんでん返し」のスキルを体に叩き込んでいただきます。型の反復練習なので、いつ参加しても大丈夫です。
しかし、「お題」が変わるので誰もが永遠の挑戦者となります。書くたびに必ず新たな発見がありますし、目には見えなくても確実に実力が積み上げられていきます。
これこそが感覚を掴むための唯一の訓練法です。
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