マッシュアップによる物語速成術

こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です！

前号から引き続きお送りします。

既存の物語の構造を使ってAIに再構築させるのは簡単ですが、ネタバレしやすいというリスクがあります。おとぎ話などのようにドメインフリーだったら別にいいじゃないか、という声も聞こえますが、そんなことよりも「結末の予測がついてしまう」ことのほうが問題なのです。

そこで使えるのが「物語マッシュアップ」という手法です。これは2つのストーリーを融合させるテクニックです。マッシュアップ自体もAIにやってもらえばごく簡単にできます。

プロンプトはこんな感じ。

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グリム童話の「赤ずきん」と「ジャックと豆の木」を要約し、同一の主人公の元でストーリーをマッシュアップしてください。短いあらすじにまとめてください。

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するとAIが一瞬で作ってくれました。

＜ChatGPT4.OMNI＞

以下は、グリム童話の「赤ずきん」と「ジャックと豆の木」をマッシュアップした短いあらすじです。

あらすじ:

赤ずきんは、おばあさんに会いに行く途中、森で不思議な豆を手に入れる。その豆を庭に植えると、巨大な木が天まで伸びていく。赤ずきんは好奇心に駆られ、木を登っていくと、雲の上にある巨人の家にたどり着く。そこで彼女は巨人が隠し持つ魔法の黄金の卵を見つけるが、巨人は赤ずきんに気付き、追いかけてくる。

急いで木を下りる赤ずきんだが、地上に降り立つと、待ち構えていたのはおばあさんになりすましたオオカミだった。赤ずきんは機転を利かせ、オオカミをだまして木を登らせ、その隙に木を切り倒して、巨人とオオカミを一緒に倒す。赤ずきんは無事におばあさんの元へ帰り、魔法の卵を使って村を豊かにすることを誓う。

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なかなか面白いですよね。とくに「巨人」と「オオカミ」を一撃で倒す、というやり方には感心しました。こんな手があったか！

気を良くした私は、早速、AIに次の話をリクエストしました。すると……

●「白雪姫」×「シンデレラ」

以下は、グリム童話の「白雪姫」と「シンデレラ」をマッシュアップした短いあらすじです。

あらすじ:

美しい少女は、亡き母親の遺言により義母と暮らすことになるが、義母は彼女の美しさに嫉妬し、召使いに命じて少女を森へ追いやる。召使いは命令に従うことができず、少女を見逃して森に隠れ家を見つける。そこで彼女は森の小さな家でひとり静かに暮らし始める。

一方、王子が開く舞踏会の知らせが森にまで届き、少女も参加したいと願うが、魔法を使う動物たちの助けがなければ参加することはできなかった。魔法の力で美しいドレスと靴を手に入れた少女は、舞踏会に出席し、王子の心を奪うが、魔法の力が消える前に急いで家に戻る。

しかし、王子はその美しい少女を探し出すために、残された靴を手がかりに森中を捜索する。王子が少女を見つけると、彼女を連れて城に戻るが、嫉妬深い義母は再び毒リンゴを使って少女を狙う。王子が一口かじったリンゴが喉に詰まった少女を救い出し、彼女の命を取り戻すと、二人は幸せに暮らすことになる。

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▲なるほど、このマッシュアップでは、「白雪姫」と「シンデレラ」の要素を組み合わせて、一度失った命を取り戻すというテーマを中心に据え、少女の美しさと幸運が彼女の運命を左右する物語となっていますね。