「AI」×「どんでん返し」を実現させるには
前回のおさらいをしておきます。
どんでん返しを簡単に作るための構文は以下の2つ。
「XをYするのは、Aだと思ったらBだった」
「XをYするのに必要なのは、Aだと思ったらBだった」
それではさっそく前回の続きを作ってみましょう。
【手順1】XYAB構文で短いどんでん返しを作る
「初めて泊まっていった彼女の朝食のためにトースターのボタンを押したのは、彼氏だと思ったら飼い犬だった。」
前回はこのどんでん返しを、ChatGPT4にあらすじ化してもらいました。すると、以下の話が出来てきました。
【手順2】AIにあらすじ化させる
「新しい恋人を初めて自宅に招いた若い男性が、彼女に感動を与えようと、朝食を準備する計画を立てる。彼は特別な日のために手の込んだ朝食メニューを考え、早起きしてキッチンで準備を始めるが、ふとした瞬間に小さなハプニングでキッチンを離れることになる。その間、彼の飼い犬が好奇心からトースターのボタンを偶然押してしまい、彼女が起きて来たときにはトーストが焼けあがっていた。驚く彼女に、彼は状況を説明し、二人はそのユニークな出来事に笑いながら一緒に朝食を楽しむのだった」
今回はこれを「別れた二人の思い出話」にしてみたいと思います。
【手順3】結末を追加する
話がボヤけないように切なさと現実感を加えたい。でも、あまりシビアになりすぎないようにしたいと思ったので「祖母の若い頃の思い出」にしました。
ただし、主人公は現代の人にしました。ほのぼのとしたどんでん返しに少しスパイスを効かせる感じで、前述のあらすじの最後に以下のような結末を付け加えました。文章はシンプルです。
「『その後、結局私たちは別れてしまったけれど、今でもあの犬のことは忘れないわ』……そんな話を祖母から聞かされた若い娘は、恋人と別れて犬を飼うことにした。」
これで方向性が決まりました。
【手順4】AIに指示を出す
「このあらすじを物語化してください」と、AIに指示を出しました。
こういうストーリーは情感が大事だと思ったので、今度は「日本語名人AI」として名高いClaude 3.5 Sonnetを使ってみました。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
Claude:
このストーリーを心温まる物語として展開させていきましょう。
# トースターと犬と朝食
「おばあちゃん、恋愛って難しいよね」
私は深いため息をつきながら、祖母の家の古びたソファに身を沈めた。つい先日、2年間付き合った彼氏と別れたばかりだった。
祖母は優しく微笑んで、温かい緑茶を差し出しながら話し始めた。
「そうねぇ。でも、恋の思い出って、意外なところに宝物として残るものよ。私にも忘れられない思い出があるの」
それは、祖母が20代前半だった頃の話。
当時、祖母は若き会社員として働いていた。付き合い始めて3ヶ月の彼が、初めて彼女を自宅に招くことになった。彼は料理が得意で、特別な朝食でサプライズをしようと計画を立てていた。
前日から買い出しを済ませ、レシピも何度も確認した。フレンチトースト、手作りジャム、新鮮なフルーツサラダ、そして彼女の大好きなハーブティー。完璧な朝食を作るため、彼は普段より2時間も早く起きた。
キッチンで準備を始めて間もなく、玄関先で新聞配達の音が聞こえた。彼は急いで受け取りに行った。その短い間に、彼の飼っていた1歳になったばかりのゴールデンレトリバーが、好奇心旺盛にキッチンカウンターに前足をかけ、偶然トースターのレバーを押してしまった。
彼が戻ってきた時には、既に彼女が目を覚まして階段を降りてきていた。パジャマ姿のまま、寝ぼけ眼でキッチンに立つ彼を見て、彼女は少し驚いた表情を浮かべた。
そのとき、カチッという音とともにトーストが飛び出した。
「えっ、もう朝食の準備ができてるの?」彼女が驚いて言う。
彼は慌てて説明しようとしたが、そのとき犬が尻尾を振りながら、得意げな表情で二人の間に割り込んできた。状況を理解した二人は、思わず笑いが止まらなくなった。
その朝、二人は少し焦げたトーストと、急いで作ったスクランブルエッグを、犬と一緒に食べた。完璧な朝食にはならなかったけれど、それは二人にとって特別な思い出になった。
「結局、私たちは半年後に別れることになったわ。でも、あの朝のことと、あの愛らしい犬のことは、今でも温かい思い出として心に残っているの」
祖母はそう語り終えると、また優しく微笑んだ。
私は急に心が軽くなるのを感じた。そして決心した。明日、近くの保護犬施設に行ってみようと。新しい人生の伴侶を見つけに。
それは人ではなく、四本足の親友になるかもしれない。でも、きっとそれも素敵な選択なのだと思った。
●ぴこ蔵です。
頭が空白になるほどの衝撃だけが「どんでん返し」の機能ではありません。
小さなサプライズでちょっとした幸せをもたらすこともできます。
ただしどんでん返しは、どんなにほのぼのとしていても、あくまでも「新たな問題が発生する場面」です。
その後に待ち受けている「物語の結末」が作者のメッセージを届けます。
XYAB構文で作ったどんでん返しは、しっかりとしたゴールと組み合わせてこそ、狙い通りの効果を発揮することができるのです。
こうして「どんでん返し→意外な結末」という物語のフィニッシュコースが形になると、私たちは面白いストーリーに欠かせないあるものを作れるようになります。
それは「伏線」です。
次回は物語を盛り上げる伏線の張り方について考えましょう。
お楽しみに!
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