賞を獲りたい。デビューしたい。それならAIの使い方を知ろう!

世間ではすでに「文章を書くのにAIを利用する」のは当たり前。今は「いかにAIに機転の効いた文章を書かせるか」というのがテーマ。物語創作で言えば「どうやってAIに伏線を張らせるか」を考えなければならなくなっている。あなたはどうしてる?
ぴこ山ぴこ蔵 2024.10.22
誰でも

橋本環奈、重岡大毅主演のホラー映画『禁じられた遊び』。原作小説の作家・清水カルマ様より、新刊本『小説を書く人のAI活用術 AIとの対話で物語のアイデアが広がる』にコメントをいただきました。

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 僕が書いたホラー小説『禁じられた遊び』が昨年の夏に映画化され、それに関連したお祭り騒ぎが一段落した後、虚無感に襲われ、この一年間は完全にスランプに陥っていました。そんな僕にとって、この本はまさに待ち望んでいたものでした。

 僕程度の作家だと、編集者が「早く次を書け」と尻を叩いてくれたり、二人三脚で作品作りをサポートしてくれることはありません。「面白いものが書けたら持ってきて」と突き放されて、結局は自分一人で、ゼロから苦しみ抜いて作品を作り上げなければならないのです。

 ChatGPTという便利なツールが創作に役立つという話は以前から耳にしていましたが、生粋のアナログ人間である僕は、今まで手を出すことを避けていました。そんな時、絶妙なタイミングで出会ったのが、この本です。

 ChatGPTを使ったプロット作りをはじめ、AIとのやりとりでアイデアを広げたり、細かく指示を出して小説を書かせたりする方法が、非常に具体的かつ丁寧に解説されています。

どうやらChatGPTは、親身になってくれる編集者どころか、非常に優秀なアシスタントであり、共同制作者とも言える存在のようです。

 ワープロソフトが執筆に欠かせない道具になったように、これからはAIを活用することが当たり前になるでしょう。それによって、小説の書き方も大きく変わっていくはずです。頭を柔軟にして、早めにAIを取り入れるべきだと強く感じました。

 この本を読み終え、ChatGPTという強力な味方を得た僕は、ようやく次の作品に向き合う準備が整った気がします。これから作風や内容がどのように変わるか自分でも予測がつきませんが、それが楽しみで仕方ありません。

 この本は、僕のように一人で創作に苦しんでいる作家にとって、力強い味方となってくれるでしょう。ぜひ一読をお勧めします。

※注……(この文章は自分で書いたコメントをChatGPTに推敲してもらったものです。)

清水カルマ

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「小説を書く人のAI活用術 AIとの対話で物語のアイデアが広がる」

著者:山川健一/今井昭彦(ぴこ山ぴこ蔵)/葦沢かもめ

●来てね! 10.25(金)特別イベント

10月25日(金)、3名の著者がAI創作について解説するイベント開催。

※書籍「小説を書く人のAI活用術」を受付でご提示いただければ無料で参加可能です。

●著者インタビュー記事

生成AIを利用した「新たな小説の作り方」とは?

●AI物語創作のちょっとしたコツ

こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です!

物語創作に『AIを使う』というと、やってほしいことを丸投げする印象を持ってしまう人が多いようです。

「プロンプト」という特別な呪文を唱えるだけでAIが自動的にさっさと小説を書いてしまうようなイメージが植え付けられているのです。

例えば「女子高校生が転校生の自宅に遊びに行く話を書いてください」という指示を出してみました。以下はAIが書いた物語をそのまま転載したものです。

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女子高校生の咲良(さくら)は、ある日の放課後、クラスに転校してきたばかりの莉奈(りな)から思いがけない提案を受けた。

「ねぇ、今日うちに来ない?一緒に勉強しようよ。」

咲良は一瞬戸惑ったが、好奇心に駆られて莉奈の家へ行くことに決めた。クラスメートとはまだ打ち解けていない莉奈を少しでも知りたいという思いもあった。

二人は学校を出て、少し歩いたところにある莉奈の家に向かう。通りを曲がり、古いけれど趣のある一軒家が見えてきた。大きな木製の門と、手入れの行き届いた庭が印象的だ。

「ここ、莉奈ちゃんの家なの?」咲良は驚いたように言った。

「そう。ちょっと古いんだけどね、祖父母の家なの。」

中に入ると、昔ながらの和風の家屋が広がっていた。畳の香りが心地よく、咲良は思わず深呼吸をする。窓からは庭が見え、夕方の柔らかい光が差し込んでいた。

「こっち、私の部屋だよ。」莉奈が咲良を案内した先は、こぢんまりとした和室。机の上には教科書とノートが整然と並んでいた。

「本当に勉強するんだね?」咲良は冗談っぽく笑いながら座布団に座る。

「うん。でもその前にちょっとお茶でもしない?祖母が作ってくれたお菓子があるんだ。」

莉奈はキッチンから手作りの和菓子と、温かいお茶を持ってきた。二人でほっと一息つきながら、お菓子を楽しむ。

「この家、なんか落ち着くね。古いけど、すごく居心地がいい。」

咲良は和菓子を口に運びながら言った。

「ありがとう。祖母が色々と手入れしてくれてるから。私もまだ慣れないけど、この家には昔からの思い出がたくさん詰まってるんだ。」

莉奈はそう言って、少し微笑んだ。その顔には、少し寂しさが混じっていた。

「転校してきたばかりで大変だったよね。クラスにもまだ慣れてないでしょ?」

咲良が優しく尋ねると、莉奈は一瞬黙った後、ぽつりと話し始めた。

「うん、ちょっとね。でも、こうやって咲良ちゃんが遊びに来てくれて嬉しいよ。新しい環境に慣れるのは時間がかかるけど、少しずつ頑張るつもり。」

咲良は莉奈の強がりを感じ取ったが、あえてそれ以上は聞かず、「私もいつでも話聞くから、何でも言ってね。」とだけ言った。

二人はその後、しばらく勉強をしながら、少しずつ打ち解けていった。咲良は莉奈の家の穏やかな空気に包まれ、帰る頃には二人の距離はぐっと近づいていた。

そして、学校の友達とはまた違う、特別な絆が生まれたことを感じた。

***

★ぴこ蔵です。

いかがですか? 意外にまとまってはいますが、面白いというほどのものではないと思います。丸投げだとこんなものです。

それではもう少し物語に方向性を出してみましょう。ジャンルや雰囲気を限定していくのです。

ただし、ユーモア小説やミステリーなどを作るためにはそれなりのテクニックが必要です。コアになる笑いやトリックがしっかりしていないと「ベタな話」になってしまいます。

そんな時、怪談やホラーはとても便利です。「恐怖感」という感覚は強烈なので、かなりベタでも、それほど良いアイデアがなくても、その効果を実感しやすいからです。

初心者が腕試しの試作品を作ってテクニックを磨きたいのであれば、私はホラーを書くことをお薦めします。

まずは何より「終わらせやすい」し、怖い話は分かりやすいので、「読者の感想を聞く」というハードルが下がります。

「どうだった?」と恐る恐る聞かなくても、少しでも怖ければ聞き手はキャーキャーと騒いでくれるからです。

他のジャンルを書くよりも満足感や達成感を味わえて、きっとあなたの自信になるはずです。

そこで今度は「女子高校生が転校生の自宅で幽霊に取り憑かれるホラーを書いてください」という指示を出してみました。

***

「転校生の家」

新しい学期が始まり、静香のクラスに一人の転校生がやってきた。彼女の名前は美咲。都会から引っ越してきたらしく、最初は皆が興味津々だったが、美咲はあまり他人と打ち解けることなく、一人で静かに過ごすタイプだった。

ある日、クラスの何人かが美咲の家に遊びに行くことになった。静香も誘われ、興味本位でその家へ足を運んだ。美咲の家は町のはずれにあり、古びた屋敷だった。高い塀に囲まれ、どこか寂れた雰囲気を漂わせている。静香は不安を感じたが、友達に続いて家に入った。

「この家、昔からあるらしいのよ。ちょっと怖くない?」と友達が囁いた。静香はそれに頷きながらも、どこか落ち着かない気持ちを覚えた。

その晩、美咲はみんなを屋敷の一部屋に招き入れた。古い家具が並び、壁には色あせた絵がかかっている。妙に冷たい空気が部屋に漂い、外の風とは違う寒気が静香の背筋をぞくりと走った。

夜が更け、皆が話に夢中になっている最中、静香は突然、背後に冷たい視線を感じた。振り返ると、薄暗い廊下の先に誰かが立っているように見えた。目を凝らすと、それはぼんやりとした人影で、すぐに消えてしまった。

「誰かいた…?」静香は恐る恐る言ったが、他の誰も気づいていない様子だった。静香はその場で黙ってしまったが、心の中に何か重いものが残った。

やがて夜が更け、みんなは眠りに落ちた。しかし静香だけは眠れなかった。暗闇の中、何かが耳元でささやくような音が聞こえてきた。「助けて…ここから出して…」

静香は布団の中で固まり、体が動かなくなった。そしてふと、天井を見上げた瞬間、そこに歪んだ顔が浮かんでいた。髪が濡れたように垂れ下がり、目はまるで彼女を見つめているかのようだった。

「きゃああ!」静香は悲鳴を上げて飛び起きた。しかし、他の友達は誰も起きなかった。静香はそのまま立ち尽くし、恐怖で息が詰まるようだった。

その時、美咲が静かに近づいてきた。「静香…この家には昔からいるんだ…その幽霊。ここに来ると、時々取り憑かれる人がいるの…。」美咲の声は冷たく、どこか遠いところから響いてくるようだった。

「取り憑かれる…?」静香は動揺し、全身が震えた。その瞬間、彼女の耳元に再び「助けて…」という囁き声が聞こえた。

そして、静香の体がまるで他人のもののように動かなくなった。心の中に何かが侵入し、彼女の体を支配しようとしているのを感じた。

その夜、静香はその幽霊に取り憑かれた。そして彼女は気づいた。美咲の家に足を踏み入れた瞬間から、すべてが運命づけられていたのだ。

***

★ぴこ蔵です。

AIが書いたこの物語では、転校生の家を舞台に、幽霊に取り憑かれる恐怖を描いています。静かな日常が不気味な屋敷で一変し、伝統的でベタな幽霊話のパターンがそれなりに背筋を凍らせてくれます。

それではもう一押し、今度はあなたが選んだ言葉を使って、さらに特徴的で個性的なホラーを作らせてみましょう。

例えば、落語の伝統的な手法である「三題噺」という形式を応用するだけでも、物語はより具体的で立体的になります。

「酒場、ハエ、日記という言葉を使って恐ろしいホラー小説のとても短いあらすじを書いてください」ぐらいの大雑把な指示でも随分良くなるのです。

実際に書かせてみました。

以下が「酒場、ハエ、日記」という言葉を使った恐ろしいホラー小説のとても短いあらすじです。

***

「ハエの囁き」

古びた小さな酒場に、ある一冊の日記が忘れられていた。常連客の誰かが置いていったのかもしれないが、誰も手に取ることはなかった。ある夜、酒場の店主が暇を持て余し、その日記を開いてしまった。

最初は平凡な日常の記録。しかし、ページを進めるごとに奇妙な出来事が綴られ始めた。日記の中で繰り返し登場するのは、一匹の「ハエ」。そのハエは、日記の持ち主にだけ見え、囁き続けていたという。「やり直せ、あの日をやり直せ…」という意味深な言葉と共に。

店主はその日記を読むにつれ、酒場の周りに現れるハエの数が日に日に増えていくことに気づく。そして、最終ページに差し掛かった瞬間、酒場に大量のハエが押し寄せ、店主の耳元で囁き始める。「やり直せ、あの日をやり直せ…」

店主は背筋が凍りついた。そして、ふと鏡を覗き込むと、自分の背後に日記の持ち主の影が映っていた――その目はまるでハエのように黒々と光っていた。

***

★ぴこ蔵です。

酒場に置かれた日記と不気味なハエが恐ろしい出来事を引き起こすホラー展開を描いています。徐々に現実と恐怖が交錯していく中、謎めいた結末が待っています。

このように……

  • 狙った効果は出せたか?

  • 不気味で怖いか?

  • エンディングは気に入ったか?

  • 視覚化されているか?

  • 自分の好みに合っているか?

……など、トライ&エラーの結果が非常に分かりやすいので、AIを操るための実力がついたかどうかを、かなり客観的に検証できます。

物語創作の初心者がAIを使う方法論を身に付けたければ、まずはホラーにチャレンジしてください。

しかし、AIを効率よく使うためのツールやプロンプトは、自分だけだとハードルが高くてなかなか手が出しづらいものです。

そこでぴこ山ぴこ蔵のオススメ講座。10.25(金)までの限定販売!

この講座では、AIを使った物語の効率的な創作手順が分かるので、面白さのツボを押さえた「あらすじ」がどんどん作れるようになります。

作業としては、1クリック。あるいは一言だけの文字入力。せいぜいがコピペするだけ。

AIで物語創作するためのスゴ技が手に入ります。

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