物語発想タイプ無料診断(創作の迷宮からの脱出)

前回、AI時代のどんでん返しの作り方を解説すると予告したが、その前に確認してほしいことがあったのを思い出した。それは「あなたの物語はどこからやってくるか?」。悩んでいるなら自分の発想タイプを知って迷宮から抜け出そう。無料診断ツールを用意したのでお試しあれ。
ぴこ山ぴこ蔵 2025.11.11
誰でも

動かない主人公たちと俺の物語

こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です!

中学時代、友人たちと創刊したショートショート同人誌。発起人だった私は、しかし圧倒的な遅筆で、次々と作品を発表する仲間たちを羨望のまなざしで見つめるばかりでした。

なぜ書けないのか。理由は明白でした――私の主人公たちは、決して動こうとしなかったのです。

サバンナの奇跡的な大木に登る主人公。遥かな惑星から地球へ帰還するロケットの乗組員。魅力的なシチュエーションを用意したはずが、物語はそこから一歩も進まない。主人公は木から降りられず、宇宙船は大気圏に突入できない……。

今振り返れば、彼らには決定的なものが欠けていました。達成すべき目的も、向かうべきゴールも、何もなかったのです。孤独な主人公は誰とも対話せず、情報を得る術もない。行動を起こす動機さえ持ち合わせていませんでした。

スタイリッシュな世界観を描いたつもりが、実際には何も起こらない静止画を作り出していただけだったのです。主人公はただ待つ。だが、誰も来ない。何も起こらない。

当然です。作者が動かさなければ、物語は始まりようがないのですから。

塩漬けの傑作たち

目標が曖昧なときは、構成のどこに力を注ぐべきかを判断できません。迷走は必然だったのです。

こうして私の「傑作ショートショート(予定)」は次々と塩漬けになっていきました。創作の遭難者。伝説の怪獣墓場。死屍累々の惨状であります。

この「物語が完成しない病」は、13歳から発症し、23歳になるまで続きました。沈黙の10年です。

問題の本質――偏った情報収集

根本的な問題は、自己認識の甘さによる情報収集の偏りにあったのです。

私はホラーが好きです。でも、特定の作家やジャンルに影響を受けすぎて、視野が狭まり、多様な構成方法を学ぶ機会を失っていました。インパクトを求めるあまり「恐怖」の刺激に走りすぎて、読者から「グロい」と叱られる日々。そして思うのでした――もっとハートウォーミングな日常系が書ければ、と。

構成は単なる技術ではありません。自分の魂を伝えるための「表現方法」です。一つの技術に固執すれば、独りよがりな作品になりがちなのです。

自分のタイプを知る

物語創作には様々なアプローチがあります。冒頭からぐいぐい書き進める人もいれば、クライマックスから逆算する人もいます。

重要なのは、自分の得意なスタイルを認識することです。

得意な進め方があるのなら、それ以外の部分に課題が見つかるはずです。

「1行目から書く人」は「2行目をどう書くか」を戦略的に学ぶ必要があるし、「クライマックスから作る人」は「場面をどう遡るか」をさらに突き詰めて考えるべきです。

タイプは何でもいいのです。大切なのは、自分に合った学習方法を選ぶことです。

完璧主義の罠

自分のタイプが明確になったら、速やかに次の目標を探すことです。目標を見失うと視野が狭まり、他者からの貴重なフィードバックを活用できなくなりがちです。孤独に陥り、自己肯定感が低下していきます。

「まずは完成させること」を目指すのは当然ですが、私が陥った失敗は、最初から完璧を求めたことでした。「修正を重ねる」というプロセスを軽視していたのです。

焦ってはいけません。何度も書き直すことが前提です。物語は変化するものなのですから。

私は不完全な作品への批判を恐れ、書き直しを途中で諦めてしまいました。結果、経験値が積み上がらず、成長の機会を逃し続けました。客観的な視点を取り入れられず、改善のチャンスを失い続けたのです。

全体像の把握が鍵

あらすじを大まかにでも把握していなければ、せっかくのテクニックも効果的に活用できない――これが私の実感です。

目先のイメージに囚われてディテールの沼にハマる前に、全体像を俯瞰して体系化する作業が重要なのです。

この「体系化」を怠ると、現在地がわからなくなります。私が道に迷った10年間は、まさにこの状態でした。

ここからどの方角へ歩けばいいのか。この道はどこまで続くのか。

現在地が不明なまま歩き続けても、達成感は得られません。諦めやすくなり、継続力が失われます。継続的な努力を怠れば、スキルは向上せず、同じ悩みを抱え続けることになるのです。

「沈黙の10年」を回避するために

私の体験した「沈黙の10年」に陥りたくなければ、まず以下の自己認識リストをチェックしていただきたい。

▼ 自己診断チェックリスト

▢  物語の構成を「テクニック不足」として捉えすぎていないか?

▢ 自分の強みと弱みを客観的に分析できているか?

▢ 構成に関する情報収集が、特定の情報源に偏っていないか?

▢ 理論ばかり学び、実際に物語を書いて完成させる経験が不足していないか?

▢ 他者からのフィードバックを積極的に受け入れ、作品に反映させているか?

▢ 最終的にどのような物語を書きたいのか、明確な目標があるか?

▢ 完璧な物語を最初から作ろうとして、筆が止まっていないか?

▢ 自分の作品への自信が低く、他者の評価を過度に気にして創作意欲が低下していないか?

▢ 構成に関する情報を断片的に集め、体系的に学んでいない可能性はないか?

▢ 構成に悩んで、創作活動を途中で諦めてしまうことはないか?

このチェックリストはあくまで一般的な傾向を示すものです。個々の状況は異なります。重要なのは自己分析を行い、具体的な課題を特定し、改善策を講じることです。

⭕️ あなたの発想タイプを知ろう

チェックリストで「思うところがあった」なら、伝えたいことがあります。

今あなたに必要なのは、自分にフィットした物語づくりの手順です。

まずは自分が物語をどこから書き始めているのか確認してみましょう。

そのためのツールを作りましたが、ちょうどあなたに聞いてみたいことがあるので、ついでにお知らせ願えればありがたい限りです。

※お名前や連絡先は必要ありません。Google formから完全匿名でご協力お願いします

お手数ですが、以下の3つの質問に答えてくださった方にURLをお知らせします

【質問】

●今、あなたの創作上の最大の悩みは何ですか?

●物語を書く具体的な理由や目標があれば教えて下さい。

●ぴこ山ぴこ蔵の記事に最も期待することは何ですか?

ご回答はこちらから!(無記名アンケートです)

ぜひ試してください。

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