【有料版】『世界ドンデニスタ会議』について
どんでん返しの成功条件は?
どんでん返しを成功させるには、読み手がどんでん返しがあることを予測していないことが最も重要です。
読者や観客が「真犯人は誰だろう?」と筋を追うようなミステリーではなく、ホームドラマやラブストーリーだと思わせておいて、実は親友が凶悪な敵だった、というように、世界が突然様相を変えるようなシナリオが効果的です。
どんでん返しを成功させるには、観客や読者に「嘘」を信じ込ませておいて、最後に「真実」を暴露する必要があります。
「真実」は荒唐無稽でも、「嘘」の方が読者にとって「ついつい信じたくなる話」であれば、読者は「嘘」を信じてくれます。
例えば、「恋人同士の逃避行」という誰もがハッピーエンドを期待するような嘘を信じ込ませておけば、読者の警戒心が下がり、「実はスパイの脱出劇」だったという真実を隠すことができるでしょう。
作者が観客に「嘘」を信じ込ませ、最後に「真実」を暴露することで驚きを生み出す例として、映画『スティング』のラストシーンのようなサプライズが挙げられます。
どんでん返しと逆転との違いは?
勘違いしやすいのが「逆転」という手法です。物語の展開が読者の予想を裏切る手法である点は「どんでん返し」と同じですが、作者が意図的に嘘を信じ込ませるわけではありません。
ストーリーが進むにつれて状況が変化し、当初不利だった状況が有利に、有利だった状況が不利になるなど、物語の主人公や登場人物の立場が逆転することを指します。
「逆転」の実例作品としては……