ドラッカーの言葉はなぜ心に刺さるのか?
お元気ですか? ぴこ山ぴこ蔵です。
世の中には、偉大な人物たちの遺した名言というものがあります。
この名言が人の心に刺さるのは「面白い物語」の文法を使っているからです。
その文法にはいくつかのポイントがあるのですが、今回は『問題』『敵』『目的』という観点をご紹介しましょう。
今回はあの経営マネジメントのレジェンド、ドラッカー博士の名言から『問題』『敵』『目的』を抽出し、架空の人物の体験談風に書き直すことによって、分かりやすいストーリーを作ってみました。
●P・F・ドラッカーの名言より
「意思決定において満たすべき必要条件を理解しておくことは、最も危険な決定を識別するうえで必要である。すなわち、都合の悪いことが起こらなければうまくいくという種類の決定である。その種の決定はもっともらしく見える。しかし、必要条件を仔細に検討すれば、矛盾が出てくる」
【ストーリー】
・主人公:大種ショーヘイさん(20代後半、二刀流の野球選手)
大種ショーヘイさんは、二刀流で有名なプロ野球選手で、次のシーズンに向けて重要なトレーニング計画を立てていました。
彼はメジャーリーグでのトップランク入りを【目的】の1つとしており、そのためには新しいトレーニング方法と栄養プログラムを導入する必要がありました。
それは「燃える魔球」を投げるための特訓でした。あまりの回転数にボールが発火するという恐ろしい投球法です。
しかし、この新しいプランは非常に厳しく、体への負担が大きいため、大種さんはその決定がリスクを伴うことを理解していました。
彼が直面している【問題】は、「燃える魔球」が理論上は効果的だが、自身の長距離恋愛に悪影響を及ぼす可能性があることでした。
とは言うものの、彼のコーチとトレーニングパートナーはこのプランについて楽観的で、大種さん自身も成功の魅力に引かれていました。
大種ショーヘイさんは、この新しい魔球の成功に必要な条件を詳しく調べることにしました。
彼はある専門家と相談し、具体的なデータと研究をもとにその安全性と効果を評価しました。
分析の結果、プランには決定的な欠点が明らかになり、これが無視されれば、彼の恋愛に重大な影響を与えることが判明しました。
なぜかと言うと、この新魔球を投げ続けることによって大種さんの指先が焦げまくり、指紋が消えてなくなってしまうのです。
この情報を基に、大種さんは思いきったアプローチを採用することを決定しました。彼は慣れ親しんだ旧型のスマートフォンを捨て、もっと古いタイプのガラケーに変更したのです。これならもう指紋認証の必要はありません。アプリを立ち上げる度に、やけどを負った指先で画面をタップする必要すらないのです!
最終的に、大種ショーヘイさんの大胆な決定が彼を守り、シーズンを通じて彼のベースボール&恋愛パフォーマンスを向上させることができたのは、ファンの皆さんならもうご存知のとおりですね。ヘイヘイ、グッジョブ!
彼は恋人との頻繁な電話による心理的安定で自己ベストを更新し、トップランクでの地位を確立できました。
必要条件をしっかりと考慮し、リスクを管理することで、大種さんは自己最高の成果を達成すると同時に、素晴らしい伴侶を得るというもう1つの【目的】を果たす道を見つけたのです。
<終わり>
★ポイント
ドラッカーの名言には抽象的で難解なものが多い印象があります。
しかしそれは状況と対策を正確に説明しようとするからであって、よく見ると非常に合理的な構造になっているのに気づきます。
その特長は、解説する案件の【問題】【敵】【目的】を見つけやすいところにあります。
実は、この3つの要素を明確にすることこそが、ストーリーを分かりやすく伝えるためになくてはならない技法なのです。
「意思決定において満たすべき必要条件を理解しておくことは、最も危険な決定を識別するうえで必要である。すなわち、都合の悪いことが起こらなければうまくいくという種類の決定である。その種の決定はもっともらしく見える。しかし、必要条件を仔細に検討すれば、矛盾が出てくる」
この名言から『問題』『敵』『目的』を抽出すると……
【問題】もっともらしい決定が生み出す矛盾
【敵(障害)】思いがけない「都合の悪いこと」
【目的】危険な決定を識別してうまくやる
――という解釈ができます。
一見すると「抽象的で難解」なように感じますが、実はそれらの要素は全て名言の中でしっかりと言語化されており、読む側が発見するのもさほど難しくはありません。
これがドラッカーの名言が心に刺さる理由なのです。
あとはもう、それぞれの要素を具体的に表現するだけで……
【問題】→ 魔球を投げると指先が焦げる
【敵(障害)】→ スマホが使えなくなる
【目的】→ 仕事と結婚で成功したい
――と変換できるわけです。
つまり、あなたが読者の心に響く、楽しくて分かりやすい物語を書きたいのであれば、『問題』『敵』『目的』を明確に言語化すること。
これがコツです。
そして、『問題』『敵』『目的』を連動させる方法についてさらに詳しく噛み砕いてレクチャーするのが……
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